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1章 就活前の5つの疑問


1-1. 自分のこと、見たくない?

 「就活が楽しみです」
 学生からそういう声を聞くことは、ほとんどないですね。それでも就活を終えて希望の企業に入った先輩はこういうかもしれません。
 「折角だから、就活だって楽しんだ方がいいよ」
 それは、終わったから言えることでしょう。たしかに、いろんな人と出会うチャンスも多いし、楽しいこともあるだろうとは思う。
 ところが、就活の過程ではきついことの方が多い。スケジュールがいっぱいで、書くものは山ほどある。それをこなすのも、結構大変です。
 しかし、そうした忙しさとは別の大変さがあるように感じる。
 それは「自分を見る」ということの大変さ。場合によっては「つらさ」かもしれない。
 まず就活を始めると、必ず「自己紹介」あるいは「自己PR」を考えなくてはならないよね。つまり「自分はこんな人間です」と説明するわけだ。
 ところが、多くの学生はそこまで自分に向き合ってきたわけじゃない。だから、考える。そして、「自己分析」とかを始めることになる。
 その方法自体は、いろいろな本に書いてあるし、大学の就職支援でもおしえてくれるでしょう。この記事でも、そのうち書くと思います。
 ただし、いろんなマニュアルを見ながら自己分析しても、やっぱり行き詰ってしまう学生が多いことも確かに多いですね。
 理由は簡単です。人間が自分自身のことを考えるということは、元々すごく精神的負担の高いことだからです。
 あなたは、自分の顔を鏡で見続けたことがありますか?髪型を整えたり、化粧をしている時は結構長い間、鏡の前にいるかもしれません。
 でも、自分の顔をひたすら眺めたことはありますか?
 これ、やってみればわかるんだけど、結構嫌になります。髪をいじったりしていれば気づかないけど、何もせずにジッと自分の顔を見ると、何だか妙な気分になる。そして、いろんなことを思い出したりします。
 同じようにして、自分自身のことをジッと考え続けるのは、元々キツイことだと思ってください。この前提をなしに「さあ自己分析しましょう」と言われるから、どっかでつらくなるんでしょう。
 しかも、自分で頑張って書いた自己紹介のエントリーが通るとは限らない。それが続けば、どうなるでしょう?
 だんだんと自分が嫌いになる。そして、自信を失ってしまうことも多いのです。
 就活では向き合う対象は2つあります。1つは企業、そしてもう1つは自分自身です。
 殆どの学生は、そもそも自分と向き合うことに慣れていません。だから、いきなり精緻な自己分析をしようとすると、どっかで嫌になる。
 それは、当然です。
 就活をしていく上では、「自分との付き合い方」がカギを握ります。その時に、あまり自分自身を深く見ない方がいい。
 少しずつ時間をかけながら、自分のことを段々と知っていく感じでいきましょう。まだ十分に間に合います。
 具体的には、来週以降の第2章で書きますが、既に焦り気味の人は、あまり自分を見つめすぎないようにしてみてください。

 「自己分析」が途中で嫌になっても、それはフツーのこと。いきなり掘り下げ過ぎずに、ゆっくり自分と付き合っていこう。
( 2012年10月23日 )

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就活セットアップとは?
就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。