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1章 就活前の5つの疑問


1-2. この情報多過ぎ、焦るんだけど。

 まあ、あまり昔の話をすること自体に意味がないとは思うんだけど、こんなことを時々聞かれることがあるんですね。
 「就活って、昔と変わったんですか?」
 これについては「変わらないこともあるけど、変わったこともある」としか言いようがないと思います。
 「変わっていない」ことは、意外かもしれないけれど選考の基準かな。たしかに英語力が重視されたり、コミュニケーション能力が注視されるようだけど、基本的には面接重視。だから、劇的に変わったという感じはしません。
 「変わったこと」については、情報が莫大に増えたこと。これは、殆どの人が感じている。こんなに就職に関する情報が溢れてたら、何を見て、誰を信じればいいのか分からないと思います。
 それも、この情報量は年々増加しているように感じます。それは、何が理由なのでしょうか。
 もともと、各企業は「会社案内」を出してました。紙の冊子だけだったのが、ネットでも情報を出しているので、たしかに増えました。
 しかし、圧倒的に増えたなと思うのが「就職支援メディア」から発せられる情報です。そこには、いまから適職診断やら、自己分析の方法などが溢れてます。
 こういうのを見るだけで、圧倒されて焦ることもあると思うのですが、まずはこの手の情報ビジネスの仕組みを知っておきましょう。それだけで、少しは気持ちにゆとりが出ると思うからです。
 まず、「**ナビ」とかを作っている会社ですが、彼らは採用予定の企業からお金をもらってます。企業の人事は、こうしたナビサイトを運営する企業にお金を払うことで、幾つかの省力化をしているのです。
 まずは、広報です。このサイトに企業名を乗せることで、学生に知ってもらえます。
 そして、エントリーなどの選考です。これらのサイトからアクセスしてもらうことで、自分たちが自前で選考システムを作らずに済みます。
 その一方で、これを売る側も大変です。高いおカネを払ってナビサイトに自社を載せたのに、アクセスが少なかったり、エントリーが減ったらどうでしょう?
 当然、こうしたサイトを作っている会社は叱られますよね。
 「おたくのサイトには学生のアクセス少ないから、他社の方にしようかな〜あっちが安いし」
 などと言われると、困るわけです。
 そうならないためには、どうすればいいか?たくさんの学生が、ナビサイトを見てもらうのが一番です。
 さて、そういう眼でナビサイトを見てください。
 「ホラホラ、就活だぞ!」と言っているようですが、その裏には別の声が聞こえます。
 「お願いだから、1つでも多くクリックしてたくさんページ見てください!」
 「できれば、あっちの○○ナビよりも、こっちを見てほしい!」
 この競争がちょっと行き過ぎると、ますます情報が増加する。あまり読まないメールがたまって、学生が慌ててしまう傾向はたしかにあります。
 ただし、仕組みが分かっていれば少しは気持ちが落ち着きませんか?
 「情報の仕組みをつかんで、本当に知るべきことを理解する」
 このことについては、第3章で詳しくお話しようと思います。

 ナビサイトは作っている方も大変。「見てもらいたい」から焦らされるけど、仕組みを知って冷静に。
( 2012年10月24日 )

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就活セットアップとは?
就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。