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1章 就活前の5つの疑問


1-5. 日本の就活って変なの?という話

 日本の就活って変なの?という話
 この連載で決めていることがあります。それは、「就職やキャリアの“あるべき姿”を過剰に論じない」ということです。
 たとえば、いまここで書いている「就職活動」ということにも、多くの人が議論してます。
 そして、日本の新卒の就職の仕組みが「素晴らしい!」という人はいません。山ほどの問題を抱えています。
 僕だって、このままでいいとは思いません。ある日一斉に「ヨーイ、ドン!」でスタートする仕組みでは、波に乗れない人がいてもおかしくはないでしょう。
 「就職に成功した人」というのは、今の仕組みをうまく乗りこなせた人、ということになります。そして、そのような人々が将来にわたって能力を発揮するかというとそうとも限らない。
 採用する側も、わかっていながら改善策が見えていないのが現状だと思います。
 ただし、今回の連載ではあえて“あるべき姿”については論じないつもりです。書くとしても、最後の方で少し書くくらいにします。
 理由は単純です。この連載の目的は、就活を控えた大学生に、少しでも役立ってもらいたいということ。また、実力を十分に出してほしいということだからです。
 そして“あるべき姿”を論じてしまうと、逆効果になることも経験しているからです。
 大きな問題を抱えながらも、今年も新卒採用はスタートします。そして、「まったく順調」という学生は、殆どいないでしょう。
 壁にぶつかり、悩み、何回もの挫折を経験する人が大多数です。
 こういう時に、「そもそも今の就活っておかしいんじゃないのか?」と考える学生もいます。そして、日本の就活がいかに問題かを論じる意見を知ることは簡単です。
 本を買わなくても、ネット上だけでもかなりの議論が行われているでしょう。
 ただし、そういう議論を知ったとしても、就職活動が好転するわけではありません。むしろ、いま自分のやっていることがバカバカしくなる可能性もあります。
 どんなに変なルールでも、ゲームが始まったらルールを疑ってはいけない。
 シンプルですが、これが僕の考え方です。ゲームの途中でルールを疑ったら、そこで大きなマイナスになります。
 もちろん、就職活動中には山ほどの疑問を感じるでしょう。
 だとしたら、内定を得た学生が、「あるべきルール」について議論して、社会の側に提言してほしいと思います。
 ところが、実際には内定後にはあまりそういう動きにならない。変なルールでも、そのルールの中で一定の成果を上げるとルール自体を肯定するのかもしれません。
 新卒の採用から、若年時のキャリア形成まで、トータルで真剣に考えて議論して、あるべき姿を求める大人たちはたくさんいます。
 もし、そうしたテーマに関心があるのなら、それを自分の仕事にしていくのも1つの選択肢でしょう。
 まずは「今のルール」を熟知した上で、就職活動に臨むことが大切だと思います。
 というわけで、今週の第1章は、大学生が感じる幾つかの疑問について書きました。
 来週からは「第2章 自分との付き合い方」がスタートです。毎回、5~6回で一つの章になる予定です。
 それでは、また。

 日本の就活はたしかに問題だらけ。しかし、今は決まったルールの中で自分を活かすことを最優先に考えよう。
( 2012年10月27日 )

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就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。