ウェブ・ブックレット
就活セットアップ
ウェブ・ブックレット
就活セットアップ

2章 まずは自分とのつきあい方


2-2. 一度マイナス思考をしてみよう。

就活を始めれば、多くの人が「対策本」を手にするのではないでしょうか。
そこには、多くの方法論が書かれていて、学生のために有益なアドバイスもされていると思います。
こういうのも変ですが、実によくできているなと思うものもある。「受験対策」ということについて、日本はやっぱり進んでいるわけでしょう。
というわけで、エントリーシートの書き方とか自己分析の方法というのは、ある程度評判になっている本を読めば、間違ったことは書いてないと思います。
ところが、いくら書かれている通りに考えようとしても、うまく行かないという人も結構多い。これは技術的な問題ではありません。
頭と体が「就活モード」になっていないために、どうしていいか分からないという状況になっているのです。
原因はいろいろ考えられますが、やはり3年生の秋に準備をするというのは多くの人にとって「早過ぎる」からだとは思います。
大学3年というのは、専攻を深めたりサークルを引っ張ったりという経験が深まる年です。いわば「発展途上」段階なので、自分のことを「まとめて語る」のには元々無理があるのです。
当然「自己分析」などのマニュアルを読んでも、どうしても頭がついていかない。ということ自体は、全くおかしくはない。この時点で、スッと就活に入れる方が少数派です。
だから、マニュアルを読んでもなかなか動きが取れないからといって焦る必要はありません。
ただし、問題があるとはいっても就活のスケジュールは決まっています。そこで、就活対策本を読む前に「就活モード」になるまでの「隙間」を埋めることがこの連載の目的でもあるのです。
そこで、今回は敢えて「マイナス思考のすすめ」を書いておこうと思います。
というのも、自己分析で一番行き詰るのが、「考えるほど自分は大したことない」という思考に陥ることだと思うからです。
長所・短所の両方を出すにしても、結局は長所をセールスポイントにしたい。ところが、どうしても背伸びをしているように思う。それが、しっくりこないのでしょう。
そこで、時折勧めるのが「自分のダメなところ」をまず出し切ってみようということです。
「達成したこと」とか、引っ張り出してみて「ああ、でもこの程度か」と思う前に、自分のダメなことを、具体的に一度書き出してみるのです。
さて、どうですか?あなたは、それほどダメですか?
実際書き出してみて「ああ、もう自分はどうしようもない」と思う人は、いないと思います。「この程度のことは、誰だってしくじってる」「頑張りきれないことって、結構あるよね」
そう思える程度の「ダメさ」ではないでしょうか?
企業というのは「すごい人」が集まって成立しているわけではありません。欠点だらけの人間が集まり、それぞれのダメなところを補いながら、運営されているのです。
そして、一度自分に「ダメ出し」してから、自己分析でもなんでもいいから取り組んでみてください。
「それほどダメじゃない自分」に気づくし、自分を採用してくれる会社だってきっとあるだろうと思えるはずですから。

自分の売り込みを考える前に、一度徹底してダメ出しをする。無理なプラス思考は、人をフリーズさせることもあるのだ。
( 2012年10月30日 )

前後の記事

就活セットアップとは?
就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。