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2章 まずは自分とのつきあい方


2-4. 「達成」よりも「やり残したこと」を書く。

昨日書いたように、企業のつくるエントリーシートには見えない仕掛けがあります。
無数の対策本を読んで、学生たちはシートを仕上げて面接に臨む。そして、企業は「似たような」学生よりも、「ちょっと色の変わった学生」を探す。
そして、新しいエントリーシートの項目が出てくると、また対策が生まれる。その繰り返しになっています。
もちろんエントリーシートをきちんと書くことは重要だし、大きく外すよりは、抑えるべきことをオーソドックスに書けばいい。
ただし、エントリーシートの仕様が変わろうとも、決して変わらないことがあります。
それは、企業は「学生の過去」よりも、将来への延長線を想定するということです。
その一方で、多くの企業は「達成」を求めているように見える。だから学生は、延々と「力を入れてきたこと」を書く。
そして、一言「こうして養った挑戦精神を御社でも活かしたいと思います」と締めるわけです。
ところが、結果的には「なにしてくれるのかな?」と言うことになるんです。
もちろん別の項目や質問で「入社したら何をやりたいか」と聞かれることもあるでしょう。
ただし、その時は「達成したこと」とバラバラになるということも多いわけです。
僕が最近になって言うのは「達成したこと」だけじゃなくて「やり残したこと」を考える、ということです。
「達成したこと」を懸命に考えるあまり、話が妙に立派になっている学生は結構います。
そして、自分で大きな物語作ってとりあえず完結する。
いきなり20年余りの人生をまとめようと思えば、大変なのはわかります。ただ、もうちょっとシンプルに考えてみたらどうでしょう?
いくら頑張ったといっても、「もっとこうしたい」とか「こうすればよかった」ことはあるはずです。
それが自然です。採用側は「こいつは達成できてない」とかは思いません。
むしろ、やり残してきたことを、今後会社の中で活かしたい、と表明すればいいんです。
ナビサイトなどを見ると、登録項目に「ゼミやサークルのリーダーを務めたことがある」とかいう項目があります。
ああいいうのを見ると「やっぱり、リーダーしていた方がいいのかな」と思うかもしれません。
しかし、学生時代にリーダーをしていなくても、何ら構わない。
「学生時代はフォローばっかりだったけど、社会に出たら先頭に立って引っ張っていくことに挑戦したい」
と言ってもいい。
サークルもゼミも中途半端だったと思ったら、そう書いてもいいと思います。その代わり、社会に出たら「思い切り打ちこめる仕事がしたい」と言えばいいのです。
エントリーシートなどを書いていて行き詰るパターンは結構似てます。
「実体以上の自分」を書くことが嫌になって、精神的につらくなり、マイナスのサイクルに入るという流れです。
ありのままを書き、「やり残したこと」をハッキリさせてみてはどうでしょう?発想を転換させてみませんか。

「達成した」ことに悩むくらいなら「やり残したこと」を整理してみると、スムーズになる
( 2012年11月1日 )

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就活セットアップとは?
就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。