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3章 就活情報に負けない


3-1. ナビサイトは「広告」である

今週の「就活セットアップ」では、多くの就活対策の本に、あまり書かれていない話を書きます。
それは、「キャリアと情報」をめぐるお話です。ここでは「将来を考える」上で、基本的なことをまず書きます。
自分の将来に、複数の道がある。その時におこなうべきことは、大きく捉えると2つです。
1つは、目指すべきところに向かって努力すること。もう1つは、目指すべきところや、その過程についての「情報」を得ることです。
これは、皆さんが受験した時のことを考えればわかりますよね。大学の難易度についての情報と、自分の努力。いくら努力しても、闇雲に受ければいいというわけではない。また、いくら情報があっても、努力しなければ実りません。
山登りをする場合でも、同じですよね。天候や地形の情報を知り、それに合わせたトレーニングをします。
さて、就職でも全く前提は同じです。
目指す企業に入るために力を尽くす一方で、採用についての情報が必要です。
多くの学生は、ここで受験時の体験を思い浮かべるかもしれません。しかし、実際にはまったく異なった仕組みで動いているのです。
まず、あらためて確認しておくと、皆さんが接しているナビサイトなどの「企業情報」のようなものは、基本的に「広告」だということです。
なぜ、そんなことを言うのか?それは、ネットの時代になって「情報」と「広告」の違いが曖昧になって来ているからです。
テレビを見ていれば、「ここからはCMだな」とわかる。そして、そこで流されている情報は、広告している企業にとって「いいこと」しか流れません。
それは、みんな承知してます。
携帯電話が「つながりやすくなった」という広告があります。
ところが実際に試した人が「つながらない」というレポートを、ネットで書いたとしましょう。
「ああ、やっぱり広告とは違うんだな」と思った人々は、ネットにある「情報」を信用するでしょう。
「広告」は企業の都合のいいことしか言わないが、「情報」は違う。たしかに、広告については、そうだと思います。
ただし、「情報」を得れば正しいことがわかるのでしょうか?
ネットで流れる情報が、本当のことばかりとは限りません。どこかの飲食店評価サイトで「ヤラセ」が問題になりました。
しかし、そんなことは容易に想像できます。匿名で書けるシステムなら、どこでも可能です。
ここで、単純なことがわかります。情報には、必ず送り手の「意図」があるというこです。
さて、そういう目でもう一度、ナビサイトを見てほしいのです。ここにさまざまな「情報」を提供している企業は、サイトにおカネを払っています。
つまり、このサイトは無数の広告の塊です。そういう目で見ていますか?
では、匿名掲示板でいろいろな「情報」を探すべきなのでしょうか?別にしてもいいとは思いますが、そこに時間を割くことはあまりお勧めしません。
まずは、ナビサイトの仕組み、運営する企業の行動原理などを理解することで無用な焦りを避けることが大切になります。
ナビサイトなどを運営する側の企業の心理については、1週目のこの記事に書いてあるのでご覧ください。

ナビサイトの「企業情報」は、「企業広告」だと思うこと。その仕組みをまず理解しておくことが大事。
( 2012年11月5日 )

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就活セットアップとは?
就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。