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3章 就活情報に負けない


3-3. メディアが学生を煽るわけ

昨日までの話を読んでくれば、莫大な情報の構造が分かったと思います。
ナビサイトなどで乗っている内容は「企業情報」ではなく、「企業広告」だということ。そうした情報にはすべて発信する側の「意図」があるということです。
なぜ、そこまで「情報の構造」について、書くのでしょうか。理由は2つです。
1つは、構造を知ることで焦りを減らすことができるからです。仕組みを知るというのは、焦りや不安を薄らげます。
昔の人は、雷を天の怒りであると考えて恐れました。しかし、今ではその仕組みが分かっています。
激しい雷が鳴るとドキッとしますが、無闇に恐れることはないと思います。
これはあらゆることに言えるのではないでしょうか。
2つ目は、このような就職情報ビジネスについて、殆どのメディアが大学生向けに語っていないからです。
まずナビサイトは、自分たちのビジネスの仕組みを細かくは説明しません。それはそうでしょう。
そして、このナビサイトとの付き合い方について言及している人もあまりいません。それどころか、多くのメディアは12月になると「さあ就活だ」とばかりに、一気に特集をします。
今年も、12月1日には大騒ぎになるでしょう。きっとお祭りのようになると思います。
しかし、最近のメディアの騒ぎ方は、あまりにも派手だだなあと思います。別に就活がお祭りになる必要はありません。
こうした状況は、もはや「煽り」だと思います。「さあ、就活だ。動け動け」「ライバルは皆こうしてる」少々やり過ぎでしょう。
明らかに過剰だと思うのだけど、これを規制することはない。日本には、言論の自由があって、もちろん広告も自由だからです。
だから、受け手がしっかりと落ち着くしかないのです。
そして、このような過剰な情報提供は今までもあったし、これからも続くでしょう。
学校を受験した時のことを考えてみればわかります。ちょうど、この頃から予備校の模擬試験の広告が溢れてきます。
そして入試の後には、週刊誌などが高校別の合格者ランキングなどを出して大騒ぎをします。
また、社会人になってからも似たような状況は続きます。今は就職で頭がいっぱいだから気づかないと思いますが、転職情報も、山ほど溢れてます。
この、過剰な情報の原因はメディア間の競争が激化しているからです。
少子化が進む一方で、新聞を読む人は減っています。一方、ネット上には新規参入するメディアが増えているので、明らかに過当競争になっている。
では、どうするべきか?学生には「量の拡大」に付き合い過ぎるな、と言うようにしています。
「少しでもクリックしてほしい」「資料請求をしてほしい」「説明会に出てほしい」「エントリーをしてほしい」
これが、メディアの行動原理です。それがいけない、という訳ではない。それも自由競争なのだから、受け手もしたたかになる必要があります。
就活に関する情報を知りたければ、「知りたいこと」を整理してから収集する。一方的に送られてくる情報に全部付き合うことはありません。
「自分は、いま何が知りたいか」
それを考えてから、ネットを見る習慣をつけることが大切です。一方的に聞いていると、数々の「都市伝説」に振り回されてしまいます。
このことについては、また次の機会に書こうと思います。

漫然とサイトを見るのではなく、知りたいことを考えてから情報を探す習慣を。メディアはどんどん、学生を煽っているから。
( 2012年11月7日 )

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就活セットアップとは?
就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。