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5章 採る側の立場で考える


5-1. ホントは人事も困ってる

就活は「学生対企業」の戦いのように感じている人も多いでしょう。そして、この戦い、圧倒的に弱いのは「学生」という感覚なのではないでしょうか。
まあ、それはわかる。
企業は「選ぶ側」で、学生は「選ばれる側」です。そりゃ、選ぶ側が強い。
ただし、この発想は事実の半面しか見ていません。実は、選考する側も結構なプレッシャーを感じているものなんです。
そう学生に話すと、エ?そんなことないでしょ?という反応になります。
そこで、今週は「選ぶ側の気持ち」をお話しましょう。
というのも、選考する側の気持ちを想像することで、就活はズッとラクになることもあるからです。
考えてみてください。人気企業と言われるところだって、毎年のように立派なホームページをつくり、説明会をおこなってます。お金も人出もかなりかけています。ホントに真剣で、採用担当は必死なんです。
まず、「採用担当」は毎年かなりのプレッシャーを受けています。どの会社もいい人材を採りたい。それに、そもそも、会社の「上の方」はかなり勝手です。
「最近の若手がイマイチなのは採用方法がよくないんじゃないか?」とか、しょっちゅう人事に言います。
だいたい、そういうことを言うオジサンは、イマイチどころじゃないことは多いのですが、それはさておき、そんなプレッシャーが人事にかかって、採用担当におぶさってくるんですね。
そうしたプレッシャーは、慣れればしのげるかもしれない。ただし、それより大変なのは「ホントにこの採用でいいのか?」という、自問自答のプレッシャーです。
もっと言えば「この学生を通して、あの学生を落としていいのか」という、自分への問いかけですね。
募集定員の何倍、何十倍もの学生が来るような企業の採用担当は、たしかに強い立場にいるかもしれない。ところが、人の評価というのは本当に難しい。そうなると、採用担当者の思いは結構単純になります。
「できるだけ多くの学生を深く知って、いいところを知りたい」ということなのだ。
だから、学生のいいところを知って、引っ張り出そうと懸命なのである。そして、学生が自分の力を発揮できない理由の多くが、緊張からくるプレッシャーが原因であることもよくわかっている。
「学生をリラックスして、ありのままの姿を知りたい」
それが、採用担当の願いなのです。特に、説明会のブースなどにいる担当は入社して日の浅い若手であることが多い。
どんなおいしい食材でも冷凍したら、そのままでは食べられない。ところが、多くの学生は「冷凍状態」で面接に来てしまいます。
社員の方は、とりあえず解凍しようとしているのだがそれができないまま終わってしまうことが多いんです。
それは学生が、自分のことを「弱い立場」に追い込んでしまっているからでしょう。
「面接の人も大変なんだ。よし自分が助けてあげよう」
そのくらいの気持ちで接して、全く問題ない。というより、そのくらいのゆとりで臨んだ方がいいと思いますよ。

面接というのは、試験のようでいて、学校の試験とは全く違う。学生と社員の「協働プロジェクト」なのだ。
( 2012年11月19日 )

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就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。