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5章 採る側の立場で考える


5-4. 大人が面接で本当に話したいこと

コミュニケーションが「分かち合える共通の何か」を作ることだとしたら、面接における「共通の何か」とは何でしょうか。
採用側は、いったい何を考えていて、何が話したいのか?
就活対策の本には、個別の質問に対する回答例などは豊富にあります。ところが、そもそも採用側の心理について書いているものは、少ないようです。
学生は「ああ聞かれたら、こう答える」とシミュレーションをします。そして、意表をつかれた質問をされると「うまく答えられない」と思って焦ります。
これは典型的に大学受験の発想が残っているパターンです。面接では「うまく答えたかどうか」で、決まるわけではありません。
わかりやすく言えば「どれだけ仲良くできるか」という基準で話をしていると思っても結構です。
企業によっては「面接」と言わずに「面談」という言葉を使うところもあります。それは、「普通に話をしたい」という思いから敢えてそういう言葉を選んでいるのでしょう。
それは、多くの企業で同じだと思います。選考においては、落ちる人の方が多い。しかし、面接は落とすためではなく採るためにおこなっています。
そして、「これから長くつきあっていけるかどうか」を話しながら見ています。それを言いかえるとこうなります。
「この学生とは今後どれだけ共通の話をしていけるだろうか」
その「共通の話題」に対して、どれだけ普通に話ができるか?ということが大切になるわけですね。
ところが、面接したりOB/OG訪問を受ける会社員の側にも、結構悩みはあります。というのも、彼らもまた学生と「共通の話題」が、なかなか持てないんですね。
つまり、学生も会社側も「もっと打ち解けたい」と思いつつ、ギクシャクしているのが就活の風景なのです。
どうしてギクシャクするんだろ?と思っていたんですが、ある時に気づきました。
学生は、会社の情報を「学生向け」のメディアからしか受けていないのです。つまり、会社案内パンフや採用サイトや説明会、あるいは就活向けの業界研究本などから、会社のことを研究してる。
ところが多くの会社員は、こういう学生向けのメディアは見ていません。だから、話が何となくズレるんですね。
こちらの回で、「大人・社会人が接している情報に、自分たちも接するべき」だと書きました。
つまり、会社員が自社の何を気にしているか、ということをもう一度考え直すことが大事なんです。
学生向けのサイトは熟読しているのに、その会社の新製品を知らなかったりすると、話が合いませんよね。
また、その会社を取り巻く環境も大事です。国際情勢や政治など難しい話とは限りません。流通業や飲食メーカーであれば「お天気の話」も大事です。
できるだけ早い段階で、「学生向けメディアに書いてないこと」を探して読んで、自分なりに考えたことを質問してみてください。
きっと、想像以上に話がスムーズに進むと思います。そして、それこそが「コミュニケーション」なのです。

「学生向けメディア」だけで会社のことを知っても、社員とは話が合うとは限らない。社会人が何を読んでるか?という視点で企業を見てみよう。
( 2012年11月22日 )

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就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。