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5章 採る側の立場で考える


5-5. 「若々しい」か「子どもっぽい」か

就職活動中の学生は、いろいろと迷います。特に困るのが、「評価基準」がわからない、ということです。
実は採用する側にしても、確固としたものがあるわけではない。また就職を指導する側にしても、同様です。
そんな中でも一番悩ましいのが、「反対のことを言われる」というパターンでしょうか。
特に学生に対して「大人であってほしい」のか、「大人にはないフレッシュさを求めているのか」というのは、最も分かりにくいと思います。
採用サイトなどには、「大人っぽい人」は求めてません。「若々しい斬新な発想」が大切だと書かれていることが多いでしょう。
その一方で、一生懸命に夢を語っても「現実は厳しいよ」とか言われて、挙句に「いまの学生は子どもっぽい」という話にもなる。
また、「大人だね」というのは褒め言葉であることが多いし、「しっかりしている」というのも同じような意味です。
その一方で、「新鮮味がない」と言われてしまうこともある。
この辺り、たしかに採用側も「好きなことを言ってるな」と感じることもあります。
ただし、そこには「うまく言葉にできない「何か」がある。今日は、そのあたりについてお話しておきましょう。
まず、単純なことを1つ。新卒を採用するということは、「組織の中で一番若い人たち」と仲間に加えるということです。
若いということは、何か?
それは「経験が少ないけれど、将来の時間は長い」ということです。したがって、基本的には「長い将来」への意欲を持っている人を仲間に加えたいのです。
だから「若々しさ」は「将来への意欲」と読み替えてもいいでしょう。
では、そのつもりで語っているのに、どうして「子どもっぽい」と思われるのでしょうか?
ここは、単純に考えてください。「子ども」と「若者」は違うのです。
その違いは何でしょうか?
いろいろ挙げることはできるでしょうが、一番大切なのは「いまの自分の限界を知っていて、その上で挑戦しようとしている」ことです。
それが、20歳を過ぎた「若者」に求められていることです。別に、現時点では限界があってもまったく構いません。
一方で、そうした限界を知らず、ただ何となく夢を語っているのは「子ども」になる。つまり、自分のことをきちんと説明できないで、「自分はこれがやりたい。できるはずだ」という思い込みが強い人です。
これは、子どもの時には許されることです。いつまでが子どもか?という定義は難しいのですが、サンタクロースの存在を信じている間が「子ども」と言ってもいいでしょうか。
つまり、自分の思いだけで世界が出来上がっている状態。その感覚は「幼児的万能感」とも言われます。
そのままで、就職活動に突入する人が結構いることも事実です。
いまからでも、遅くはありません。まず、いまの自分の限界を見極めたうえで、「これからどんな努力や挑戦をしたいのか」を整理してみてください。
その上で、希望する企業での「夢」を考えてください。地に足の着いた「若々しさ」をアピールできるはずです。

単に夢を語るのではなく「自分の限界を知ったうえで、挑戦したいこと」を話すことが大事。それが「若々しさ」と「子ども」の境目。
( 2012年11月24日 )

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就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。