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6章 もう一度社会を見直す


6-2. グローバル化は「必修」なのか

多くの日本の会社では、あまり学生時代の成績に関しては問わないことが多いようです。
また資格なども一部の業種を除けば、就職自体に関係するものは少ないと思います。
ただし、最近になって数値で問われている能力があります。英語ですね。会社によってはTOEICの最低ラインを指定したり、社内の公用語を英語にしたりしています。
「グローバル化」というのは今までにも、嫌というほど耳にしたでしょう。ただし、将来のことを考える時にはその背景をもう一度考えた方がいいと感じています。
まず、グローバル化というのは、二つの側面があります。
一つは冷戦が終了して世界の市場の壁がなくなったこと。さらにネットによって、国境を越えた情報が莫大に増加して、それが人やモノ、カネの動きを流動化したという動きです。つまり「世界が一つになる」という側面です。
もう一つは、日本国内で人口が減少することで、国内市場が縮小するという面です。そのため、多くの企業が海外に活路を見出そうとしているわけです。
どちらも大きな潮流です。グローバル化への揺り戻しはある程度はあると思いますが、皆さんが働いていくこれからの時代では「世界単位」ということがより普通になるでしょう。
そして、企業は国境を超えてグローバル化を進めていきます。勤務地なども、世界中に広がっていくことになる。
今までも、多くの人が海外暮らしをしてきましたが、その機会はより広がっていきます。
また、「どの国の国民か」ということよりも、「どの企業に属するか」ということが、人々の生活を、いや一生を決めていくかもしれません。
つまり「人と国家」より、「人と企業」の関係が重要になるかもしれないのです。
ただし、企業がグローバル化したからといって、人はどこかの地の上で生きていくことに変わりはありません。
そして、多くの人は身近な人々と支え合いながら生きています。ごく当たり前のことですが、会社員が多数になるとついつい見落としがちなことです。
グローバル化への対応はたしかに大切ですが、一方で足元に目を向けて今後のキャリアを考える、という選択肢もあるでしょう。
人口減少の中で日本が衰退するように言われていますが、今でも100万人以上が生まれています。この数字は、世界で25番目ですが、G8では米国、ロシアに次ぐ数字です。
つまり、足元を見直して「日本をより良くする」ことを考える。あるいは「地域に根差して働く」ことを通じて、新たな機会を作ることも可能だと思います。
それでも、英語などのスキルは必要にはなるでしょう。どの地域に暮らしても、世界の中での位置づけは大切になるからです。
ただし、グローバル企業に入って、海外で働くことだけが、これからのキャリアとは限りません。自分が、何を大切にしていきたいのか。どんな生活をしたいのか?を考えればいろいろな選択肢があるはずです。
グローバル化の構造を理解することは大事ですが、それを大前提にして、何となく焦って会社を選ばないようにした方がいいと思います。


グローバル化は今後も進行するし、その構造を知ることは大事。ただし、自分のキャリアについては、日本という国の足元を見直すという道を考えてもいい。
( 2012年11月27日 )

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就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。