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6章 もう一度社会を見直す


6-5. 努力と幸せは比例しない、が。

さて、6週間にわたって連載した「就活セットアップ」ですが、本日でいったん終了です。
しかし、12月以降も随時「実践篇」としてアップしますし、facebook上でもお知らせします。
もちろん、今までのコンテンツも残っていますので、気になるところは読み返してください。
さて、とりあえずの最終回の本日は最近気になったメッセージからです。
既にfacebookページでは紹介したこの写真。どう感じましたか?
「努力したから幸せになるとは限らない」
これは、実は近所の区立小学校の校門脇にあった校長先生のメッセージなのです。
この言葉については、見た大人も大学生も「深いなあ」と理解する人が多数のようです。
しかし「小学校で?」と聞くと、驚く人も多い。「うまく伝わるんでしょうか」と不安になる人もいるようです。
ただしこの先生は、他にも意外な表現のメッセージを書かれているので、きっと上手に子供たちにも説明しているのでしょう。
さて、ここに書いてあることはたしかに真実だと思います。努力が100%報われるなら、ある意味こんな楽なことはありません。
一方で、「じゃあ努力を止めるか」という話にはならないと思います。それは、そうでしょう。
「幸せだ」と感じた時を振り返れば、すぐにわかる。そこまでには、やはり努力があったはずなのです。
では、この言葉のどこに惹かれるのでしょうか。
それは、「努力すれば“必ず”報われる」という、ちょっと強引なメッセージが多過ぎることへの、単純な疑問があるからだと思います。
“必ず”という発想はある意味大変に危険だと思います。未来において“必ず”は存在しません。
実は、学生時代までが、まだ努力と結果が結びつきやすい。「勉強と試験」は、努力が形になる確率が比較的高いのです。
ところが、社会に出れば努力と結果は、ますます比例しなくなります。そして、就活というのはその入口です。
いわば「入試勉強的」な努力が報われる可能性は、低くなります。
ただし、それでくさってしまうのが、また危険なことでもあると思うのです。
このメッセージの一番最後に重要なことが書いてあります。
「そして、もっと大切なことは努力できることが幸せであることに気づくこと」
そうなんです。これから就職活動のプロセスは、きっとガッカリの連続です。嬉しいことの方が少ないでしょう。
しかし、先輩たちの殆どもその過程を経験して社会に出ています。そして、頑張っています。
だから、就職活動中にメゲそうになったら、ぜひこの校長先生の言葉を思い起こしてください。
まず、努力しても報われないことを恨まない。そして、就職に向けて頑張っていられるという環境に感謝する。
自分を「不幸」だと思うと、そういう空気が滲み出てしまう。それは、面接などでプラスに働くわけがありません。
目標に挑戦できていることに感謝を続けることで、これからの日々を乗り切ってください。
また質問などがfacebookでも随時受け付けてます。
健闘を祈ります。

努力が報われないこともあるのが、世の中の「普通」。それを再認識してからこそ、努力する意味がわかる。就活は、その「普通」への入口でもある。
( 2012年11月30日 )

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就活セットアップとは?
就職を控えた学生が「就活前」に知ってほしいことや、考えておくべきことを書いていきます。読みながら気持ちの準備を進めてもらいやすいように、毎日少しずつ。溢れる情報の中で迷ってしまった時に、立ち返ってこられるようなサイトにしたいと思います。
著者紹介
山本直人 やまもと なおと
1964(昭和39)年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博報堂に入社。2004年退社、独立。現在マーケティングおよび人材育成のコンサルタント、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師。著書に『電通とリクルート』など。